2013年12月21日土曜日

Friendship Family Program

今回はFriendship Family Program(以下、FFP)について書きたいと思います。

FFPとは

FFPとはダートマス全体(学部、MBAや医学部含む各大学院)のInternational Student(海外からの留学生)の希望者全員に対して、11でホストファミリーをマッチングしてくれるプログラムです。

事前に学生のプロフィールや希望を大学側が確認し、ホストをボランティアしたいと手を挙げた家族のバックグラウンド等を考慮して、なるべくフィットがあるよう考慮の上、各生徒に対して1ホストファミリーが割り当てられます。入学前に記入した申し込み用紙では年齢、国籍、言語、家族構成、食事制限の有無、学術的興味、趣味、希望するホストファミリーの家族構成(子供やペットの有無等)、そして簡単な自己紹介を聞かれました。入学後間もなくして、キャンパス内の講堂でオープニングセレモニーが催され、ホストファミリーとの初顔合わせと、簡単なスピーチやゲームが行われました。基本的にはまず1回会ってみて、その後の交流は自由ということになっています。したがって、1回しか会わなかった人もいる一方で、ほぼ毎月会っているケースもあります。ホストファミリーは地元のHanover周辺に住んでいる家族なので、夫婦のどちらかがダートマス関係者の場合もありますが、ダートマスと無関係の場合もあります。

初めてアメリカ、あるいはハノーバー周辺で暮らす学生とその家族に対して、学校の教育ではカバーしていないアメリカの歴史、文化、習慣や、地元での生活情報に関して、学生とは世代が違うアメリカ人との交流を通じて学ぶ機会を提供するとともに、少しでも早くハノーバーでの生活に馴染めるようにという想いで毎年行われているプログラムです。

LoriRobertとの出会い

私のホストファミリーとなったLoriRobertとは先述のオープニングセレモニーで初めて会いました。Loriは長年法律事務所で弁護士として働いた後、現在はダートマス大学の法務顧問として働いています。Robertは元外交官で、現在は引退してダートマスの授業を受けたり、新しく購入した家の改装などをしているようです。Robertは昔東京に駐在していたこともあり、日本に対する一定の理解があり、初めて会った時から話が盛り上がりました。2人はとても親切で、暖かい雰囲気を持っており、私の嫁があまり英語が得意でないことが分かると、すぐに分かりやすい言葉を使ってゆっくり話すようにしてくれました。初対面の印象がすごく良く、安心して家に帰ったのを覚えています。


ホストファミリーの家にて

早速2週間後にホストファミリーの家に伺い、夕食をご馳走になりました。ホストファミリーの家は私の住むSachemから車で20分位のところにあります。少し街から離れた自然がさらに多いエリアで、行く途中で広々とした草原があり、そこで鹿の群に遭遇しました。最後に木々に囲まれた登り道を抜けると、木とガラスを基調にした素敵な家がありました。家に着くとまずはチーズやナッツのアピタイザーをつまみながらお酒を飲み、その後ダイニングテーブルへ移動してRobertがつくってくれた魚のグリルを食べました。料理が予想以上においしくて、食べ過ぎてしまいました。このお家では夫が先に引退していることもあり、家事は旦那が結構しているようです(笑)

最初のFall Termの合間だったので、久々に学業や就活に追われている日々から離れ、落ち着いて色々な事を話す時間が取れました。お互いの家族や生活について話し合ったり、私達が疑問に思っているアメリカでの習慣や文化に関する質問に答えてくれたり、Robertが数十年前の日本での経験について語ってくれたりと、話は多岐に渡りました。Robertは日本にいた時に日本の伝統的なモノに感銘を受けたようで、家の中に着物や日本から持ってきた木の家具などが置いてありました。分かりづらいですが、上の写真の私達の後ろにあるのがその着物です。また、今後は庭造りに取り組む予定で、日本風で、かつ石庭のある庭にするつもりだそうです。「イギリス式の庭は美しいけど、あれは見て終わってしまう。日本の庭は見た目の美しさだけでなく、そこで瞑想し、色々と考えを巡らさせられるから、とても好きなんだ」とRobertが言っていたのをよく覚えています。アメリカ人から見た日本について学び、改めて日本について色々考えるいいきっかけにもなりました。

うちに招待して和食をサーブした時。この辺では買えないからか、なぜかゴボウを抱えての一枚

その後も2ヶ月に一度はホストファミリーと会っています。去年の年末にうちに呼んだ時はクリスマスプレゼントをくれたので、新年にお返しに日本の風呂敷をプレゼントして、とても喜んでくれました。また、今年の10月はホストファミリーの趣味であるハイキングに一緒に行き、New Englandのきれいな自然を一緒に楽しんできました。その際にも色々と話す中で、娘さんの就職がようやく決まって喜んでいましたが、卒業後3ヶ月以上過ぎてもまだ同級生の半分は就職先が決まってないなど、ニュースを読むだけでは実感できないアメリカの現状についても色々と学びました。




ハイキングの時の写真。嫁は前日のテニスの試合の影響で筋肉痛が残っていたようです・・・

 ハイキングへ向かう途中で日本式庭園を発見!


FFPのおかげで良き出会いがあり、学生・教授・スタッフとはまた違うバックグラウンドをもつ家族との交流を通じて、学校では得られない貴重な経験・学びを得ることができ、大変嬉しく思っています。もしTuckで学ばれることになった際には、ぜひFFPに申し込んでみることをお勧めします。

 


ホストファミリーからもらったプレゼント
地元で有名なガラス工房のキャンドルと寒い冬を越すためのジャケット




Y.I (T'14)