2013年3月7日木曜日

Entrepreneuership in Social Sector (ElectiveClass)


ビジターの方にTuckにおけるソーシャル・ビジネスやNon Profit Managementなどについて聞かれることもありましたので、今回はElectiveで開講されているEntrepreneurship in Social SectorESS)という授業について書いてみたいと思います。(1年生の冬学期は2つのミニコース以外は選択授業はないのですが、事前申請によってコア授業の免除が認められれば選択授業を取ることが可能です。同授業は私を含めて3人の1年生が履修していました。また、履修はしなくても、興味のある授業を聴講している友人もいます。)

日本でも「ソーシャルビジネス」「企業の社会的責任(CSR)」「社会的責任投資」「Base of Pyramid」など企業活動を通じて社会問題を解決しようとする取り組みへの注目が高まっているようですが、アメリカでも同様に(またはそれ以上に)、経済的な利益だけでなく、社会的な便益に興味を持つ学生が増えています。そのような流れを受けて、Tuckでもビジネスと社会貢献、あるいは、非営利組織のマネジメントに関する授業がいくつか開講されています。

そのうちのひとつがESSです。学期の半分で終了するミニコースとして開講されており、講義主体の前半(ESS1)と、実際のプロジェクトを実施する後半(ESS2)と、分けて履修することが可能です。私は両方とも履修しており、2月初めでESS1が終わって、今はESS2でコンサルティング・プロジェクトを実施し、昨日、無事にクライアントへのプレゼンテーションを終わりました。
私は元々ESS2に興味があり、ESS1ESS2受講の上で必須だった、というのが主な受講理由だったのですが、ESS1もよい意味で期待を大きく裏切る、非常に面白くて内容の濃い授業でした。

授業は主にケース形式で行われます。ケースはさまざまなトピックをカバーしており、たとえば非営利団体に対する投資案件の選定、大企業の貧困層向けビジネス、NPOのターンアラウンドと本当に多岐にわたります。分野としても、アートや児童福祉、人権、ヘルスケア、貧困問題と、さまざまな分野が扱われるように工夫されています。たとえば、貧困層向けビジネスについては、どのように利益を上げるか、ということだけでなく、「貧困層を搾取している」という批判にどう対処するのがいいか、など、とても実践的な内容でした。

何よりこのクラスで最も印象的だったのはビジターです。ほぼ全ての授業にゲストビジターが来るのです。
といっても、ビジターが頻繁に来る授業自体は珍しいものではありません。この授業の素晴らしいところは、ケースで扱われている団体から、実際にビジターが来る、という点です。

ケースでの問題点に対して、実際にどのように対処したのか/するべきだったのか、生の声を聞くのはとても説得力がありました。

また、殆どのビジターとはランチや個別ミーティングのチャンスも設けられており(こちらは授業を履修していなくても申し込めます。Tuckには毎日のようにビジターが来ますが、場所柄、多くの人がHanoverに宿泊しますので、ビジターとランチやディナー、朝食を一緒に取る機会に恵まれています)、NPOで何十年もキャリアを積んでいる人から、ボストンコンサルティングのパートナーを経てNPOに転職した人まで、様々なバックグラウンドの方に直接、自分の疑問や意見をぶつけることができたのも、勉強になりました。たとえば、新しいNPOを設立したときに、ファンドレイズのために、どのように自分のビジネスキャリアを活用したか、組織運営においてNPOと営利企業で働く人のマインドセットの違いを理解することの重要性など、実体験に基づくお話はとても面白かったです。

ESS2ではケースでも扱われたSt. Jude's Ranch for Childrenという児童の保護・養護に関するNPOをクライアントとして、メディア戦略に関するプロジェクトを実施しています。期間が短いのでかなりスコープは絞られるものの、授業の担当教授以外にも、ブランドマーケティングやKotlerと共著によるマーケティングの教科書で有名なKeller教授などに協力してもらい、ESS1とはまた違ったチャレンジを楽しんでいます。(ESS2についてはまた別途、ご紹介します。)

もちろん、授業以外にもビジネススキルを活用した社会的なインパクトやNon Profitに関する経験や学びを得る機会はたくさんあるので、また別の機会に少しずつご紹介していければと思います。


TG



2013年3月6日水曜日

Recruiting at Tuck

今月上旬で今夏のサマーインターンに向けての就職活動が落ち着きましたので、今回はTuckでの就職活動について述べたいと思います。Tuckでは大きく分けて3つのサポートを得ることができます。

1.   キャリアデペロップメントオフィス(CDO)のサポート

Tuckでは就職活動全般をCDOという就職課が中心になって様々なサポートをしてくれます。例えばレジュメやカバーレターの作成方法、各企業のキーマンやアラムナイとの人脈構築のコツ、そして面接の攻略方法等々についてのレクチャーを毎週開催してくれるため、授業で急がしい中でも就職活動をバランスよく行えるように工夫されています。加えてインターナショナル生対象のセッションも別途あり、例えば日本とUSでのビジネス慣習の違いなどの疑問に答えてくれるので、特にUS企業向けに就職活動をする際に、非常に参考になりました。レクチャー以外でも、各生徒にCDOの担当者が割り当てられ、One-To-Oneのサポートがあります。Tuckは一学年約270人前後と規模が小さいため、彼らは生徒一人一人と就職相談の時間を取ってくれます。私も良くメール一本で彼らの予定を押さえ、レジュメやカバーレターのレビューやインタビュー対策等で何度も時間をとってもらいました。CDOのスタッフは大半がTuck卒業生で、卒業後にコンサルや事業会社等に就職し、その後戻ってきた人が大半なので、非常に実践的なアドバイスがもらえる点が魅力でした。あとは僕は出席できなかったのですが、Crack The Case ( http://www.mbacase.com/index.htm )という全米でも非常に有名なケース対策本の筆者がTuckに来てケースの回答メソッドを直接伝授するというレクチャが無料で受けられるようなサービスもありました。

2.クラブによるサポート(コンサルクラブ)

私はインターン先としては戦略コンサルを志望していたので、コンサルクラブという就職対策クラブに所属して準備をしてきました。特にコンサルを受ける場合はケースインタビューの準備が重要なのですが、クラブ内では毎週のように模擬ケースをチームで解く練習や、2年生で戦略コンサルから内定を取った人がチューターとなってケースの模擬インタビューが開催されました。各コンサルティングファームが会社説明のために学校に訪れる際には必ずといって良いほどコンサルクラブ主催の模擬面接やディナー等も開催され、ネットワーキングや各会社の傾向等を詳細に分析できる機会が多々ありました。その他コンサルクラブ以外にもジェネラルマネジメントクラブ、インベストメントクラブ、ファイナンスクラブ、マーケティングクラブ、テッククラブなど、志望業界や志望職種に合わせたクラブがあり、各々の興味に合わせて傾向や対策の知識を得られる機会があります。

3.生徒によるサポート

コンサルクラブにいると自然と同級生で誰がコンサルを受けようとしているかが分かってくるので、そこで横の繋がりができ、彼らと毎日時間を決めてケースの準備をするようになりました。コンサルクラブでは過去十年分のTuckを含めた他トップスクールのケースブック(ビジネスケースの問題集)を提供してくれたため、それらを参考にして毎日のように様々なケースをやりました。

あとはコンサル出身の同級生や昨年夏にコンサルでインターンをした2年生も多くいたため、彼らを捕まえてのケース練習もしましたし、現在コンサルで働いている先輩からも個別にSkypeで模擬インタビューをしてもらったりと非常に手厚いサポートを受けました。

4.就活専用のイントラネットや学内SNS(Chatter)、各種スピーカー

インフラの面においてもTuckはサポートに力を入れており、各ステージに応じて有用な情報やサイトへのリンク、各種テンプレートや、これまでに作成したコツを纏めた資料などを体系的にまとめたサイトを作成しており、必要な時に参考にできて便利です。また、就活とクラブ活動に関連した情報共有を促すためにChatterというSNSTuck専用のfacebooktwitterを組み合わせたようなもの)を導入しており、タイムリーに色々な情報を収集・共有できるようにしています。


参考までに、1年生の場合の一般的な就職活動スケジュールを添付します。ご覧の通り、入学早々からレジュメの作成、ネットワーキング等が並行して走ります。さらに日本の企業を受ける場合は10月末にボストンキャリアフォーラムでの面接もありますので、一年生の秋、冬は比較的忙しい時期になります。

  9月       :Resumeの作成

  1012   :Summer internship希望先ネットワーキング

  翌年1   3    : interview (on / off  Campus)

           6    7月  : internship


                       Career Development Officeのメンバー





 L.N.(T’14)